2015年5月3日日曜日

在りし日の思ひで《1》

こんにちは、氏原です。気がつけばずいぶん長い間リレー日記を止めてしまっていました。ごめんなさい。

さて、僕も気がつけば三年生になり、大学生になって3度目の夏が近づいてきました。そんなわけで(?)、今回は僕が高校の頃所属していたバスケットボール部について少し書こうかなと思います。始めに話しておくと、僕は高校からバスケットボールを始めて、一年の1月28日にバスケットボール部を辞めさせられました。"辞めさせられた"という事実を、僕は不思議に思ったこともありませんでしたが、大学の友人は一様に驚きの表情を浮かべるので、たしかになかなか珍しいのかもしれません。

はじめに言っておくと、僕はこの話を語るにあたって、母校への恨みなどは少しも持っていません。あの高校での生活がなければ今の僕はなかったはずだし、高校生の僕はそれなりに楽しい日々を送っていましたから。それでは、話を始めようと思います。


僕は中学の終わりにバスケットボールのマンガに触発されてバスケットボールを始めた、ありきたりな高校生の一人でした。しかし僕の高校のバスケ部は、実績こそ大したことないが、その練習はハードなことで有名でした。当時学業成績上位者の選抜クラスに在籍していた僕は、担任や両親から盛んに反対を受けましたが、それらをなんとか押し切って、同じく初心者の数人とバスケ部に入部しました。

バスケ部の練習は、思ったよりもずっとハードでした。というよりも、先輩の大半は小学校や中学からバスケをやっていた人たちで、そうでない僕たちとの間には絶望的な能力差がありました。僕の初心者の友人たちはみるみる減り、夏になる頃には部員は半分以下にまで減っていました。

この段階で、部員の退部ラッシュはひとまず収束し、チーム一丸で暑くて厳しい夏を越えることになります。練習の休みはほとんどなく、毎朝目が醒めるのが憂鬱で仕方がなかった僕ですが、始めたからには、という意地だけでしがみついて、どうにか部活を辞めずにいました。

夏が終わり、秋が来ました。体育館の窓を開ければ涼しい風が吹き抜ける季節がやって来て、1日の練習で4リットルものスポーツドリンクを消費する季節は終わりました。その頃になると、予備校実施の模擬試験は月を重ねるごとに増え、担任と具体的な大学名をまじえて面接をする機会が増え始めました。

担任の、早く部活を辞めろ、と言う心の声は会うたびに肌で感じていました。退部ラッシュの末にバスケ部に残った生徒は、進学クラスには僕を含めて四人いました。僕がその頃化学の試験で9点を取ったという事実からもわかるように、僕ら四人が部活の疲れのせいであまり勉強ができていないのは明らかでした。
その上バスケの実力も大したことはなかったのだから、僕たちに吹く風は逆風以外の何物でもありませんでした。僕らにしてみても、そんな毎日に格別の充実感を感じていたわけでもなく、ただ先ほども書いたような"意地"だけで部活に残っているようなものでした。

やがて季節は、秋から冬へと変わります。日は短くなり、暗闇でいちゃつくカップルは増え、そんな彼らのそばをランニングで駆け抜ける気分は、ちょっと言葉では言い表せません。


そして、僕たちはあるイベントを迎えました。それが、マラソン大会です。
それは年に一回、全校生徒が高校の近くの市民公園の周りおよそ10kmを走らされるという、どこの学校にでもありそうなありきたりなイベントです。

ところで当時、僕たちバスケ部はある不満を募らせていました。それは、「どうして毎日こんなにも辛い練習に耐えているのに、俺たちはこんなにも地味なんだろう」というものです。毎晩放課後に校舎の周りでこれ見よがしにトレーニングをする陸上部や、校舎の隣のサッカー場で校舎からの黄色い視線を浴びながら汗を流すサッカー部に比べて、バスケ部はあまりにも地味でした。ほぼ毎日、授業が終わると同時に体育館に走り、あとは体育館の施錠時間まで感情を殺して走り回る。施錠を済ませて外に出てみても、残業をしていた教師の数人にくたびれた一瞥を投げかけられるのみで、「こんなにも頑張ってるんだから、もう少し周囲の脚光を浴びても良さそうなものではないか」と、部員同士で愚痴をこぼし
あったりもしました。

そんな僕たちにとって、マラソン大会とは千載一遇の好機でした。もちろん、日頃の努力の成果を見せつける為の、です。
しかし同時に、僕たちの中には幾ばくかの「舐め」がありました。「10km?おれらは夏の練習で毎日吐くまで追い込んでんだw(実際に僕を含む数人の部員は夏場に吐きました。熱中症で気絶した者もいました。)マラソンごときウォーミングアップにもならねえよww」と。


その時僕たちは、まだ知らなかったのです。まさかの甘さが、その後の学校生活を大きく左右することになろうとは。《続く》

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