2008年9月15日月曜日

長らく止めてごめん!!

 鯉淵です。松本先生に完結編の執筆を依頼され、5日悩んでようやくなんとか完成しました。
 
 さて、ここのところ私はアルバイト採用面接に立て続けに落ちています。
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●最近の戦績 
 8日、交流戦飲み会一次会、予定したスナック的居酒屋から連絡なし。
 13日、納会一次会中ケンタッキーから不採用通知。

 店長さんはどこもさすがに人当たりはいい(^-^)んですが。
 面接まですらこぎつけなかったのは魚屋・居酒屋・イタリアンレストランの4店。

 近所の洋風料理店には昨日の夕方面接を受けて、今日の夕方には近所のセブンイレブンに面接を受けます。
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●バイトを求めて西東
 実は、全くひょんなことから知り合ったある六本木で働かれているらしいと就職・起業カウンセラーのお二人に12日金曜夕方に「アルバイトの口を日曜日の夜までに確保します」と自信満々に約束してしまい、今から数時間前電話で「アルバイト見つけた?」
との質問に返答したときは恥ずかしいやら情けないやら…(=_=;)。

 昨日夕方に受けた洋食料理店面接では、あなたの長所は何かと聞かれてしばらくしてからやっと「食材を大切にする」と答えましたが、正直言葉足らずでした。ただ、「それって自分がケチなだけじゃ…」って思うと自分で自分に引いてしまいました。
 自分の欠点はいくらでも並べられるんですが、なかなか長所を客観化するのは難しいですね(^_^;)。
 でも絶対にめげません。私の面子にかけて必ずやアルバイトを掴みとります。
 私みたいなのは一度他人から徹底的に拒絶されるといいんでしょう、おっし、こいっ、世の中プラス思考が大事ですよね〜!!
Sink or swim! ってか。

 次回は、私に貴重な機会を割いてくれた、陸より水中のほうが速い松ちゃんに戻します。

【最終話】
「あの虹の果てを追って」

Kたちは、両側をトンネルのような水路を泳いでいった。幅は8米、水深は6尺くらいだろうか。
白みかかった赤い煉瓦製の壁の両側では、水銀灯の冷たい光とナトリウムランプの暗い橙の光が交錯していた。
1kmほど泳いだところでしばらく止まる。

John:「なんだか変な音がしませんか?」
 シーズーはみんなにドリンクボトルを渡しながら言った
「私はボートの上だからかな?聞こえないけれど?あたいはお化けとか亡霊とか、迷信の類いは、
ぜんっぜん
信じませんからね」

某部員:「まあね、死んだあとも化けて出られるもんなら、むしろ自分もうれしいんだけどね、ねえ?」
 レノーアは、この人の無茶ぶりにいつまで笑顔で流せるかわからなかった。
 苛立つ笑顔の奴は涼しい目許を、訝しさで細めて言った:「なんじゃありゃ?」
松ちゃん:「戦車とロボットの合いの子みたいだポニョ?」

Kent隊長:「各員第一戦闘体制。
…みんな、なんだか吸い取られるような感じがせん?」
シーズー:「肉眼で目標を確認、ロボです」
Kent隊長:「いかん、ロボでは我々に勝ち目はない、作戦36号を発動する。」
隊長がせまりくる殺戮マシーン"ロボ"に背を向けて猛スピードでしばらく泳いだとき、みんなはようやく命令の内容を理解した。

「ああっ、イテテテっ!!助けて、お母さん!」
逃げ遅れた某部員はダブタブの水着がロボに吸い寄せられ、バタフライでパワー不足に陥ったようにもがいている。

「タフスイマン、って叫んで欲しかったな」
 Kは、みんなが振り返る事なく曲がりかどの向こうへ泳いで行くのを見届けるや、水着に頑張って隠していたウルトラ・ゴーグルを颯爽と装着、水中でなんとか腕を回して曲げ伸ばし・屈伸。

「Splash!」

Kの渾身はまばゆい光に包まれた!
キラキラキラ〜★
 白糸の滝の七色の水しぶきと共に、皇帝ペンギンそのままのカラーリング(?)のタフスイマンは、ストリームラインの姿勢で駆け付け、巨大ジェノサイドマシーン、ロボに立ちはだかる。

「Splash!」

タフスイマンのウォーターピストル! ピチャッ

 効果がいまひとつのようだ。

ロボのガトリングガン! ドゥルルルル…
 効果は抜群だ!
 
タフスイマンのウォッチタイマーが点滅を始めた。
 太陽光線が少ない環境では、タフスイマンは3分間しか我慢ができない。

 我らがヒーロー、タフスイマン、頑張って!(喪服のリスより)

しかし、ロボは容赦なく留めの魚雷を発射した。
タフスイマンは爆発の衝撃と煙幕に苛まれ、倒れたところを、ロボのメガバキュームで吸引されていく。

Tufswimmer1「起きろ、タフスイマン…そろそろ必殺パドルパンチだよっ!」
Tufswimmer2「いや、スピンフィンキックじゃない?」
Tufswimmer3「…どれもロボットには効かなそうだね」

 だが、チューブウィップを命綱とし、吸引されると見せ掛けたその瞬間、タフスイマンはドリンクペットボトルを魚雷発射孔とキャタピラのホイールの隙間に突っ込んだ。

ロボは魚雷と移動力を封じられ、ガトリングガンを乱射した。

Kent隊長:「よし、敵は弾切れだ、我々は生じたあの穴から撤退しよう」

一方、Kはわざと吸引され、ロボの体内(?)に潜入する。

そこは、深い緑と、つんと香る金木犀と、川のせせらぎと、秋の訪れを思わせる一陣の風。星はあまたに瞬いていた。いつか見たような、セピア色のなぜか、懐かしい風景。
屋外のプールに立っていたKに背を向けて、誰かが一人、飛び込み台の上に座っている。
「待っていましたよ、K、いえ、タフスイマン」
黒い水面には、白い月がたわんで揺れていた。
「まさか、あなたは?」
「そう、私が…
 本当の"西の人魚たち"のスパイなの」

「そんな、うそだ、これは悪い冗談ですよね、だって、ずっと僕たち一緒に戦って来たじゃないですか」

「私は、ライバルを鍛えるために、やってきたんです。さもなければ、タフスイマーズは壊滅してしまうとわかっていましたから」

 彼女は語りながら、屋外プールの脇を通りかかる某部員を見遣ったようだ。"昼行灯"のような人だったが、夜もやはりぱっとしない。

「どうして敵に塩を送るようなことを?」

「私たち"西の人魚"が栄えるためには、常に好敵手の存在が不可欠だったんですよ。それがあなたたち、タフスイマーズだった…」

「なるほど、そうだったんですね、でも」

 Kは彼女が眺めているプールの水面を見た。
 
 「一つ違うところがありませんか。あなたは少なくとも今はスパイでなくなっている、そうでしょう」

「なぜ、そうわかるの」

「もし本当にスパイだったら、とっくにタフスイマンの正体を暴露することもできたんじゃないかと…」

ひとしきりの沈黙(しじま)が過ぎ、彼女の口許にかすかな笑みが浮かんだ。
「Kが、危険に曝されるのが私には堪えられなかった。」
彼女は座っていた飛び込み台から振り返りながら降り、Kから2尺ほどの所に、向き合って立った。
 Kは思わずの彼女の瞳から目をそらしかける自分を励ました。夜の闇の中でいっそうつぶらになった彼女の瞳には小さな自分が映っていた。

「わかっているんでしょ、これ以上タフスイマンとして戦ったら、K、あなたは、…」

 数々の戦いで傷ついたタフスイマンの余力もあと僅かだった。

「ああ、もう僕は、みんなとは一緒にいられなくなるかもしれませんね」
「ダメ、行ったらKは生きてもどれない。行かないで」

 「すみません、やはり僕は行かなきゃならないんで。でも…、あなたに出会えて、自分本当に幸せでした。
 その、自分の気持ちに、もっと正直だったらよかったのかも知れないですね」

 「K…」
 二人は見つめ合う、手を取り合い、歩み寄り合う。互いの呼吸の間合いが、次第に一つになっていく。
 
 と、俄かにKの防水携帯電話が鳴る。

シーズー「K、大丈夫?無事なんでしょ?お楽しみ中わるいんだど、夢の島まで急行してくんない?異常事態が発生したんだけど、警察や消防はお手上げみたい。ワープにはポケットの中にマシュマロがあるから」

 通話を終えたKの顔は再び凛々しい緊張感が走った。

「すみません、僕行かなきゃ。 …そうだ、西の魔女さん、これを。」

Kは笑顔で、西の魔女ウルトラ・ゴーグルを手渡した。

「もう、僕には要らなくなったみたいです。だって」

 西の魔女もにっこり笑って言った。
「そうだね、Kには、これから共に戦う仲間がいるしね」

「はい、それに…、何だか僕は僕として戦う時が来たような気がするんですよ。
 今さらですけど、西の魔女さん、本当にお世話になりました。当分西の奥地に篭られるんですよね。
 すごく淋しいですけど、正直ちょっぴりほっとしてもいます」

 「ふふふ、私としては望むところです。」

 「じゃあ、行ってきます」

Kはキラキラマシュマロを口にほうり込み、噛み締めた。

 様々な記憶の一こま一こまが、Kの脳裏にどっと溢れ出て、涙が伝ってきた。


 山葵が入っていたようだ。
        (完)

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